20代・30代の女性の患者様を中心に人気のマウスピース矯正「インビザライン」。
透明なマウスピースで目立ちにくい、ワイヤー矯正と比べて痛みが少ないなどメリットが多い矯正方法ですが、インビザラインにはマウスピース矯正ならではの飲食の注意点が存在します(※)。
今回は「インビザライン矯正中の飲食の注意点」についてご説明します。
(※)矯正中の痛みの感じ方は個人差があります。
目次
■インビザライン矯正中の飲食の際に気をつけるべきこと
1.水を除き、飲食時にはマウスピースを外していただきます
インビザライン矯正中は水を除き、飲食時にマウスピースを外す必要があります。
マウスピースを着けたまま飲食をすると食べ物に含まれる糖分や食べカスがマウスピースと歯のあいだに挟まってしまい、むし歯・歯周病が進行しやすくなります。食べカスが挟まることでマウスピースがフィットしにくくなり、矯正効果に悪影響を与えるおそれもあります。
{無糖であっても、コーヒーやお茶などの着色性飲料を飲む際はマウスピースを外すのが望ましいです}
「無糖なら、むし歯・歯周病になりにくいから大丈夫でしょ?」とお考えになる患者様もいらっしゃいます。たしかに、無糖であればむし歯・歯周病になる確率は低くなります。しかし、無糖でもコーヒーや紅茶、お茶などの着色性飲料は歯の着色汚れを起こす原因になります。
インビザライン矯正中は無糖のコーヒー、紅茶、お茶であっても、着色性飲料を飲む際はマウスピースを外すのが望ましいです。
2.矯正中に硬い物を噛むのはNGです
インビラインは矯正中、マウスピースを外していつもどおりの食事を楽しめます。ただし、硬いおせんべいやフランスパン、弾力があり噛みちぎりにくい肉など、硬い物を噛むのはNGです。
硬い物を噛んでしまうと噛んだときの刺激によって歯槽骨の代謝(骨の吸収と造骨)がさまたげられてしまい、治療計画通りに歯が動かない可能性があります。
3.マウスピースを外したときは歯みがきとマウスピースの洗浄、再装着を忘れずに行いましょう
飲食時にマウスピースを外したら、歯みがきとマウスピースの洗浄、マウスピースの再装着を忘れずに行いましょう。
歯みがきをせずにマウスピースを再装着すると食べカスや歯垢が残ってしまい、むし歯・歯周病が進行しやすくなります。
マウスピースの洗浄も大切です。マウスピースを洗浄せずに再装着するとマウスピースの中に溜まった唾液が石灰化して固まり、きちんと歯にフィットしなくなる可能性があります。マウスピースに溜まった唾液や汚れによって臭いが発生することも。
マウスピースを洗浄するときは流水をかけながら指の腹を使い、マウスピースの内側と外側をこすり洗いしましょう。洗浄はかならず、水か40度以下のぬるま湯で行ってください。熱いお湯で洗うとマウスピースが変形したり破損する場合があります。
■ワイヤー矯正中の飲食の制限は?
◎ワイヤー矯正は飲食に多くの制限があります
マウスピースを自由に取り外せるインビザラインと比べ、固定式のワイヤー矯正は矯正中の飲食に多くの制限があります。
硬い物、繊維質の肉・野菜、ほおばるような物、かじりつく物、甘い物、キャラメルやグミなどの歯につきやすい物はワイヤー矯正中はNGです。
{インビザラインはいつもどおりの食事を楽しめます}
インビザラインはいつでも自由にご自身でマウスピースを取り外せます。矯正中はマウスピースを外していつもどおりの食事を楽しめます(※)。
(※)矯正の歯の動きのさまたげになる可能性があるため、
インビザライン矯正中は硬い物は控えてください。
◎ワイヤー矯正中の歯みがきにも制限がかかります
固定式のワイヤー矯正は矯正中の歯みがきにも制限がかかります。
ワイヤー矯正は装置が固定されているため、矯正中は十分に歯の歯垢や汚れを落とせません。マウスピースを外してしっかり歯を磨けるインビザラインと比べ、ワイヤー矯正はむし歯・歯周病にかかるリスクが高くなります。
{インビザラインはマウスピースを外して歯をしっかり磨けます}
インビザラインは矯正中、マウスピースを外して歯をしっかり磨けます。装置を気にせずすみずみまで歯を磨けるため、ワイヤー矯正と比べてむし歯・歯周病が進行するリスクが低減されます(※)。
(※)歯の健康を保つには正しい方法で行う毎日のセルフケア、および、歯科医院で
受ける定期メンテナンス(お口のチェック、歯のクリーニング)が必須です。
【矯正中の注意点を守り、理想の歯並びを手に入れましょう】
インビザライン、ワイヤー矯正、どちらも矯正中には注意点を守る必要があります。患者様によっては「わずらわしい」「めんどくさい」と感じてしまうかもしれません。
矯正中の注意点は矯正を成功に導くために欠かせない要素です。注意点を守ることは矯正のゴールに向かって正しく進むアクションでもあります。
理想の歯並びを手に入れるため、矯正中はしっかり注意点を守るようにしましょう。