歯科医療ではさまざまな金属素材を用い、治療を行うことがあります。むし歯治療などで歯を補う際には詰め物・被せ物の素材として金銀パラジウム合金（銀歯）を用いたり、矯正治療では金属製のワイヤー装置を装着することも。

歯科治療で金属を用いるときに注意しなければならないのが金属アレルギーです。むし歯治療のほか、金属アレルギーの方・金属アレルギーのおそれがある方の矯正治療でワイヤー矯正を行ってしまうと金属製のワイヤーが原因で金属アレルギーを起こす可能性があります。

今回は「金属アレルギーでもマウスピース矯正はできる？」についてお話しします。

■ワイヤー矯正で金属アレルギーを起こす可能性がある理由

◎金属製のワイヤーにより、ワイヤー矯正で金属アレルギーを起こす可能性も

ワイヤー矯正とは、歯に接着したブラケット装置の中に金属製のワイヤーを通し、ワイヤーで強く歯を締めて歯並びを整える矯正方法です。ワイヤー矯正は古くからある矯正方法であり、現在でも「矯正」と聞くとワイヤー矯正をイメージする方が多いです。

ニッケルチタン、ステンレス、チタンなど、ワイヤー矯正では金属製のワイヤーを用いるため、金属アレルギーを起こす可能性があります。

上記のうち、遷移金属で元素が安定しているチタン製のワイヤーは金属アレルギーを起こしにくいです。ただし、チタンも金属のため、絶対に金属アレルギーを起こさない保証はありません。

｛金属を使わないワイヤー矯正ってあるの？｝

ワイヤーは金属製のみですが、歯に接着するブラケット装置は非金属の物があります。

現在、従来の金属ブラケットのほか、非金属のプラスチックブラケット・セラミックブラケットが登場しています。非金属のブラケットが登場する一方、「強く歯を締めて歯を動かす」というワイヤー矯正の性質上、ワイヤーだけは金属製の物を使わざるを得ず、素材すべてが非金属製のワイヤー装置を作るのは難しいのが現状です。

■ワイヤー矯正で金属アレルギーを発症すると…

◎金属製のワイヤーが原因で以下のような症状がひき起こされることがあります

ワイヤー矯正中、金属製のワイヤーが原因で金属アレルギーを発症すると以下のようなさまざまな症状がひき起こされることがあります。

・顔や全身の湿疹・発疹

・口内炎

・口唇炎

・手や足の裏に膿の袋ができる（掌蹠膿疱症：しょうせきのうほうしょう）

・手や足の裏に水ぶくれができる（汗疱状湿疹：かんぽうじょうしっしん）、

・舌のただれ（口腔扁平苔癬：こうくうへんぺいたいせん）

・頭痛

・肩こり

・立ちくらみ

・味覚異常

■矯正方法にはワイヤー矯正のほか、インビザライン（マウスピース矯正）もあります

◎非金属のマウスピースを用いて歯並びを整えるマウスピース矯正「インビザライン」

金属製のワイヤーが原因となり、ワイヤー矯正は金属アレルギーを起こす可能性があります。

金属アレルギーのおそれがある方・金属アレルギーが心配な方は、非金属のポリウレタン製マウスピースを用いて歯並びを整えるマウスピース矯正「インビザライン」がおすすめです。

次の項では、金属アレルギーの方におすすめのマウスピース矯正「インビザライン」についてご紹介します。

■金属アレルギーでもマウスピース矯正はできる？

◎インビザライン（マウスピース矯正）は金属アレルギーを起こしにくいです

マウスピース矯正のインビザラインでは厚さ0.5mmほどのポリウレタン製マウスピースを歯に装着して歯並びを整えます。

非金属であるポリウレタン製のマウスピースを用いるため、インビザラインは金属アレルギーを起こしにくいです。

◎金属を用いて補助処置を行うことも

非金属のマウスピースを用いるため、金属アレルギーを起こしにくいインビザライン。ただし、マウスピースは非金属でも、アンカースクリューやIPRなどの補助処置で金属を使うことがあるため、マウスピース矯正（インビザライン）が絶対に金属アレルギーを起こさない訳ではありません（※1）（※2）。

（※1）アンカースクリュー・・・金属製（主にチタン）の小さなネジを

顎の骨（歯が植わっている歯槽骨）に埋め込み、ネジを

支点（アンカー）にして歯を動かす補助処置。

（※2）IPR・・・金属製のやすりやダイヤモンドバーで歯と歯の隣接面

（歯と歯のあいだ）のエナメル質を少しだけ削り、歯を動かすために

必要なスペースを作る処置。「ディスキング」とも。

｛アタッチメントやダイヤモンドバーなど、非金属製（or金属成分が少ない）の装置・器具を用いることで金属アレルギーのリスクを低減｝

金属アレルギーが心配な場合はインビザラインでマウスピース矯正を行うと共に、以下のような非金属製（or金属成分が少ない）の装置・器具を用いることで金属アレルギーのリスクを低減できます。

・樹脂製のポッチを歯につけて矯正力を高める「アタッチメント」を用いる

・人工ダイヤモンド製のダイヤモンドバーを用いてIPRを行う

【矯正の無料相談を受け付けています】

東岡崎ジョイ歯科では、矯正の無料相談を受け付けています。

「インビザラインの治療内容について知りたい」

「矯正に副作用やリスクはあるの？」

「金属アレルギーでも矯正治療は受けられる？」

など、インビザラインや矯正に関するご質問・ご不安がある方は当院までお気軽にご相談ください。ご予約はWEB・お電話にて承っております。

カウンセリングでは歯科医師が患者様の現在のお悩みやご希望をしっかりとお伺いし、お1人お1人に合った治療計画を丁寧にわかりやすくご説明させていただきます。