インプラント治療後に「噛むと痛い」と感じることがあります。
この痛みは、手術直後のものから、数年後に発生するものまでさまざまなケースがあります。
ここではインプラント治療後に噛むと痛みが生じる原因と、その対処方法について詳しく解説します。
目次
■インプラント手術直後に噛むと痛い原因
◎手術後の正常な痛み
インプラント手術後は、歯肉や周囲の組織に炎症が起こるため、痛みを感じることがあります。
これは手術後の自然な反応であり、通常は数日から1週間程度で軽快していきます。
歯科医師の指示に従い、抗生物質や鎮痛剤を服用し、患部を冷やすことで炎症を抑え、痛みを減らします。
◎術後の感染による痛み
手術後1週間以上経過しても痛みが続く場合、感染症の可能性があります。
特にインプラント周囲の腫れや熱感、膿が出るなどの症状が見られる場合は、細菌感染が疑われます。
このような場合は、すぐに歯科医師の診察を受け、抗生物質の処方や処置を受ける必要があります。
■インプラント治療しばらくした後、痛みが出る原因
◎インプラント周囲炎
インプラント周囲炎は、インプラント周囲の歯肉や骨に炎症が生じる病気で、進行するとインプラントが脱落する原因になります。
歯周病と似た症状で、歯肉の腫れや出血、痛みが特徴です。
歯垢(プラーク)や歯石が溜まることで発症しやすくなるため、定期的なメンテナンスと適切な口腔ケアが重要です。
◎噛み合わせによる痛み
噛み合わせが正しく調整されていない場合、インプラントに力がかかりすぎ、痛みを引き起こすことがあります。
また、歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、インプラントや周囲の組織に負担がかかりやすくなります。
◎インプラントと骨の結合不良
インプラントは、埋め入れたインプラント体と顎の骨が結合して初めてしっかりと機能しますが、何らかの理由で結合がうまくいかない場合、噛むと痛みを感じることがあります。
骨との結合不良は、喫煙、糖尿病、過度な咬合圧などが原因となることが多いため、リスクのある方は事前に歯科医師と相談することが大切です。
◎アバットメント(連結部分)の緩み
インプラントは、インプラント体、アバットメント、上部構造(人工歯)の3つのパーツで構成されています。
インプラント体と人工歯となる上部構造をつなぐアバットメントが緩むと、噛むときに違和感や痛みを感じることがあります。
■数年後に痛みが発生する原因
◎インプラント周囲炎の進行
インプラント周囲炎は、数年後に発症するケースもあります。
特に、定期的な歯科医院でのメンテナンスを怠っている場合はリスクが高くなります。
◎噛み合わせの変化
時間の経過とともに歯並びや噛み合わせが変化することがあります。
その結果、以前は問題がなかったインプラントに力がかかり、痛みを感じることがあります。
■インプラントの痛みへの対処方法
◎歯科医院での診察を受ける
痛みが長く続く場合は、自己判断せずに歯科医院で診察を受けることが大切です。
歯科医師がインプラントの状態を確認し、必要に応じて調整や治療を行います。
◎口腔ケアの徹底
インプラントを長く使い続けるためには、日常的な口腔ケアが重要です。
歯間ブラシやデンタルフロスを使用し、インプラント周囲の清掃をしっかり行いましょう。
◎硬い食べ物を避ける
インプラントに負担をかけないために、極端に硬いものは控えるようにしましょう。
特に治療直後や、インプラント周囲に違和感がある場合は、柔らかい食事を選ぶのがおすすめです。
◎噛み合わせの調整を行う
噛み合わせが原因で痛みが発生している場合は、歯科医師に相談し、噛み合わせを適切に調整してもらうことが必要です。
【痛みを感じる場合まず相談を】
インプラント治療後に噛むと痛みを感じる場合、その原因はさまざまです。
手術直後の一時的な痛みから、数年後に発生するものまで、原因を正しく理解し、適切な対処を行うことが大切です。
特に、インプラント周囲炎や噛み合わせの問題は、定期検診によって予防することが可能です。
痛みが続く場合や違和感がある場合は、放置せずに早めに歯科医院で相談することをおすすめします。
適切な処置を行うことで、インプラントを長く使用することができます。