インプラント治療は口腔清掃状態が悪い方には受けていただけないことがあります。 それはインプラント周囲炎という炎症がインプラントの寿命に大きく関わっているためです。 インプラント周囲炎とは一体どういうものなのでしょうか。 インプラントの寿命と合わせて解説します。 インプラントはインプラント体、アバットメント、人工歯の三層構造になっています。 一番下のインプラント体は歯槽骨に埋まり、歯根の役割を果たしています。 それより上のアバットメントや人工歯は、破損や脱離が起こっても修理が可能なケースが多いのですが、インプラント体は再埋入手術が必要となります。 インプラントの寿命はこのインプラント体が脱落した時とされています。 このインプラント体は10年以上持つ方が90%以上いらっしゃいます。 そのためインプラントの寿命は10年とされています。 様々な歯科医院で10年を目安に保証が設けられているのはそのためです。 しかし中には40年以上を持ったインプラントもあります。> 丁寧に使えば10年以上長くお口の中で使うことができるでしょう。 インプラントの脱落には様々な原因がありますが、特にインプラント周囲炎には要注意です。 インプラント周囲炎とは、インプラントの周りに起こる歯周病に似た炎症です。 本来、天然歯に歯周病が起こる時は、歯周ポケットから歯周病菌が入り、そこから炎症が起こり歯槽骨に波及します。 この歯槽骨と歯根の間には歯根膜という膜がありえます。 これは柔らかい繊維でできていて、クッションのような役割を果たしています。 しかしインプラントは歯槽骨と直接結合するため、この歯根膜がありません。 そのため炎症が広がると一気に歯槽骨まで波及してしまうという特徴があります。 これをインプラント周囲炎と呼びます。 その他のインプラントの脱落の原因として、定着しないということがあげられます。 手術の時に細菌が入ったり、骨粗鬆症により骨密度が足りなかったりすると手術を終わってすぐに脱落してしまうこともあります。 インプラント脱落のリスクを高めるものとして、喫煙があります。 喫煙すると歯周組織の血流が悪くなります。 インプラント治療後だと、歯周組織の治癒に影響が現れます。 またインプラントが定着した後でも喫煙者は歯周病の進行に気付きにくいといわれているため、炎症が重度になってしまい、インプラントの脱落につながってしまうリスクがあります。 その他外傷などでインプラントの脱落が起こることもあります。 インプラント周囲炎を防ぐためには、まず丁寧なブラッシングが大切です。 歯周病を防ぐのと同じような清掃や処置を行うことによって、インプラント周囲炎を防げます。 インプラントは、天然歯と違い隙間があるため、その部分を清掃するために歯間ブラシなどを使うと良いでしょう。 インプラントは固定式の装置ですが、歯科医院ではネジを外して清掃することができます。定期検診に行きプロフェッショナルケアを受けるのと同時に、必要であればネジを外して清掃してもらいましょう。 定期的なレントゲンを行えば、異常を早く知ることもできます。 インプラント周囲炎を防ぐためには丁寧な清掃が何よりも大切です。 インプラントは時間的にも金銭的にも負担のかかりやすい治療です。 その反面、丁寧に使えばブリッジや入れ歯よりも長く使うことのできます。 より長く快適にインプラントを使うために、インプラント周囲炎には注意しましょう。
インプラントの寿命とは
◎脱落=寿命
◎寿命は10年
インプラント脱落の原因
◎インプラント周囲炎
◎定着しない
◎喫煙
◎外傷など
インプラント周囲炎を防ぐために
◎ブラッシング
◎定期検診
丁寧な清掃が大切