インプラントは、歯を失ったときの選択肢として多くの方が検討する治療法ですが、その費用は比較的高額です。
「なぜここまで高額なの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
ここでは、インプラント治療費が高額になる理由を5つの視点から詳しく解説し、最後に医療費控除についてもご紹介します。
目次
■インプラントの材料費が高い
◎チタン製の人工歯根は高品質で高価
インプラントの人工歯根には、生体親和性に優れたチタンが使われています。
歯の根っこの役割を果たすチタン製のフィクスチャーは、骨としっかり結合する特性を持ち、耐久性にも優れていています。
この特性を持ち、なおかつ多くの歯科医院で採用されている信頼の高いメーカーであれば、その分材料費も高くなります。
◎上部構造やアバットメントも別途費用が必要
インプラントはフィクスチャーだけでなく、歯の部分に相当する上部構造(人工歯)や、それを支えるアバットメントというパーツも必要です。
これらも高品質な素材を使うため、全体の費用は高くなります。
■高度な検査、診断機器を使用している
◎歯科用CTや3Dシミュレーションが必要
インプラントを適切な位置に安全に埋め込むためには、骨の厚みや神経の位置を正確に把握する必要があります。
そのためには、歯科用CTや3Dソフトなどの先端機器を使用し、詳しく検査をしなければなりません。
■高い技術力と専門知識が求められる
◎精密な位置にインプラントを埋入する技術が必要
インプラントの成功には、骨の状態、噛み合わせ、見た目のバランスなど、すべて考慮した正確な埋入位置が重要です。これには歯科医師の技術と豊富な経験が求められます。
◎骨造成などの追加処置が必要なケースも
顎の骨が足りない場合には、GBRやサイナスリフトといった高度な外科的処置が必要になります。この処置はインプラント前に全員が必ず行うものではなく「インプラントを埋入するための骨が足りない場合」にのみ適応されるため、追加費用になる場合があります。
◎サージカルガイドの作製にも費用がかかる
CTデータから作製されるサージカルガイドを使うことで、インプラント体をより正確な位置に埋め込むことができる治療が可能になりますが、これにもコストが発生します。
■感染対策が必要
◎インプラントは外科手術の一種
インプラント治療は、歯肉を切開し、骨に人工歯根を埋める外科手術です。
高度な外科手術であるため、無菌状態を保つための手術室の設置や、使い捨て器具の使用が求められます。
■長期的なメンテナンスと保証制度
◎インプラントは治療後も定期的なケアが必要
インプラントを長持ちさせるためには、治療後も定期的なメンテナンスが必要です。
歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングや、噛み合わせのチェックなどに時間と手間がかかります。
◎保証制度がある医院ではその分の費用が上乗せされる
万が一のトラブルに備えて、一定期間の保証制度を設けている医院もあります。
このような保証制度に費用がかかることもあります。
■インプラント治療は医療費控除の対象
◎医療費控除で税金の還付を受けられる
インプラント治療は保険適用外ですが、咀嚼機能の回復を目的とした治療であることがほとんどのため、医療費控除の対象になります。
1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合、確定申告によって所得税の一部が還付される可能性があります。
高額な費用を軽減できる制度になりますので、ぜひご活用ください。
医療費控除についてはこちら。
【費用だけで判断せず、総合的に納得できる選択を】
インプラントは高いと感じられる治療かもしれませんが、その費用には、技術、安全性、素材、設備、アフターケアといった多くの要素が含まれています。
価格だけに目を向けるのではなく、医院の実績や保証制度、対応の丁寧さなどを総合的に比較して、自分にとって納得のいく治療を選ぶことが大切です。
お口の健康のために、まずは信頼できる歯科医院で相談してみてはいかがでしょうか。