矯正治療は以下の2つの期間で構成されます。
①矯正治療期間(動的治療期間)
装置(ワイヤー装置、マウスピース)で力をかけ、歯を動かす期間
②保定期間
整えた新しい歯並びを身体に馴染ませ、後戻りを防ぐ期間
今回は、矯正治療後に行う保定、および、保定で用いるリテーナーについてご説明します。
目次
- ■保定とは?
- ◎矯正で整えた新しい歯並びを身体に馴染ませ、後戻りを防ぐ処置です
- ■保定が必要な理由
- ■保定で用いる「リテーナー」って何?
- ◎歯並びを身体に馴染ませ、後戻りを防ぐための簡易的な装置です
- ◎リテーナーの種類
- ■保定期間はどれくらいかかるの?
- ◎矯正期間と同じくらい、保定期間がかかります
- ■保定期間中の通院は?
- ◎保定期間中は3~6ヶ月に1回のペースで通院が必要
- ■リテーナーは1日何時間、装着するの?
- ◎最初は1日20時間以上から始め、保定が進んで歯並びが身体に馴染むのに合わせてリテーナーの装着時間を減らしていきます
- ■保定が終わったら、リテーナーは装着しなくてイイ?
- ◎保定終了後もリテーナーを装着し続けるのが望ましいです
- 【矯正の無料相談を受け付けています】
■保定とは?
◎矯正で整えた新しい歯並びを身体に馴染ませ、後戻りを防ぐ処置です
保定(ほてい)とは、矯正治療で整えた新しい歯並びを身体に馴染ませ、後戻りを防ぐ処置です。
矯正治療で歯並びを整えた後は、リテーナーと呼ばれる装置を用いて保定を行います。
■保定が必要な理由
歯科矯正において、保定は欠かせない処置です。矯正と保定はセットであり、保定をせずに矯正の成功はあり得ません。
理由①矯正治療で整えた新しい歯並びを身体に馴染ませます
保定には矯正治療で整えた新しい歯並びを身体に馴染ませる役割があります。
矯正で整えた歯並びは脳や身体にとっては「新しい」歯並びです。今までにない歯並びのため、脳は「早く戻さなきゃ」と指令を出し、歯を元の位置に戻そうとします。この現象を後戻り(あともどり)と呼びます。
矯正治療後に行う保定には整えた新しい歯並びを身体に馴染ませ、脳に対して「これでイイんだよ!大丈夫だよ!」と教えてあげる期間です。リテーナーを用い、整えた新しい歯並びを保ち続けることで脳に「ああ、この新しい歯並びで大丈夫なんだな」と思わせるために保定を行います。
理由②歯が元の位置に戻らないようリテーナーを装着し、後戻りを防ぎます
保定には歯が元の位置に戻らないようにする役割もあります(後戻りを防ぐ)。
リテーナーを装着することで整えた歯並びを保ち、後戻りを防ぎます。
■保定で用いる「リテーナー」って何?
◎歯並びを身体に馴染ませ、後戻りを防ぐための簡易的な装置です
矯正治療で歯並びを整えた後は、リテーナーを装着して保定を行います。
リテーナーには整えた新しい歯並びを身体に馴染ませると共に、歯の後戻りを防ぐ役割があります。
◎リテーナーの種類
リテーナーには以下のようなさまざまな種類があります。矯正方法や歯並びによって以下の中からお口の状態に合ったリテーナーを用い、保定を行います。
①マウスピース型
②ワイヤー型
③プレート型
ワイヤー型とプレート型は簡易的な作りの物が多いです。保定は歯を動かす訳ではないため、あえて簡易的な作りのリテーナーを用い、新しい歯並びを身体に馴染ませると共に後戻りを防ぎます。
①~③、いずれも取り外し式のリテーナーが主流ですが、歯並びによっては固定式のリテーナーを用いる場合もあります。
{専用のリテーナーがないマウスピース矯正ブランドも}
近年(2018年前後より)、登場している新興のマウスピース矯正ブランドの中には専用のリテーナーがなく、矯正治療の最後のステージで用いたマウスピースをリテーナーとして代用するブランドもあります。
■保定期間はどれくらいかかるの?
◎矯正期間と同じくらい、保定期間がかかります
気になる保定の期間ですが、歯科矯正では、通常、矯正期間(装置で歯を動かす動的治療期間)と同じくらいの保定期間がかかります。
矯正期間が1年半の場合は保定期間は1年半程度、2年の場合は保定期間は2年程度です。
■保定期間中の通院は?
◎保定期間中は3~6ヶ月に1回のペースで通院が必要
保定期間中は3~6ヶ月に1回のペースで通院が必要です。
保定の最初の頃は3ヶ月に1回程度のペースで通院していただき、新しい歯並びが身体に馴染むのに合わせて4ヶ月に1回、6ヶ月に1回、と通院頻度を少なくしていきます(※)。
(※)患者さんや歯並びの状態により、保定期間中の通院
ペースが異なります。保定の最初から最後まで、一定
のペースで通院が必要になることもあります。
保定期間中の通院時には、歯が後戻りしていないか、むし歯・歯周病などのお口の病気や異常が起きていないかを歯科医師が確認します。
通院の際は、歯並びの状態に応じてリテーナーの形状や種類を変え、新しいリテーナーをお渡しすることもあります。
■リテーナーは1日何時間、装着するの?
◎最初は1日20時間以上から始め、保定が進んで歯並びが身体に馴染むのに合わせてリテーナーの装着時間を減らしていきます
保定期間中のリテーナーの装着時間は、保定が始まったばかりの頃は食事と歯みがきのとき以外はリテーナーを装着します(1日20時間以上)。
保定が進んで新しい歯並びが身体に馴染むにつれ、リテーナーの装着時間は20時間~18時間~12時間、と少しずつ減っていきます。保定の終盤になり、新しい歯並びが安定してリテーナーの装着をしなくても良い状態になりましたら、保定を終了します。
■保定が終わったら、リテーナーは装着しなくてイイ?
◎保定終了後もリテーナーを装着し続けるのが望ましいです
保定終了後はリテーナーを装着しなくても大きな後戻りは起こらないことが多いです。ただし、脳は長年、つきあってきた元の悪い歯並びをいつまでも覚えています。このため、生きている限りは一生、歯の後戻りが起きる可能性があります。
通常、保定終了後は大きな後戻りが起きる心配はあまり多くないのですが、舌癖(※)や頬杖、うつぶせ寝などの悪い癖・悪習慣があると、後戻りが発生しやすくなります。癖や習慣が原因でほぼ元の位置まで歯並びが戻ってしまうケースも。
(※)舌癖(ぜつへき)・・・上下の前歯のあいだ
に舌を出す、前歯で舌を噛むなどの悪い癖。
脳や身体の記憶、および、舌癖などの悪い癖・悪習慣によって一生起きる可能性がある歯の後戻り。一生続く後戻りを防ぐためには、保定終了後も継続してリテーナーを装着するのが望ましいです。
保定終了後のリテーナーの装着は夜1~2時間だけ、1週間に数時間程度だけ、のように短時間でもかまいません(※)
(※)保定終了後のリテーナーの装着は短時間で
OKですが、リテーナーの装着時間が長い方が
後戻りを防ぎやすくなります。
保定終了後もリテーナーを装着し続けることで後戻りを防ぎやすくなり、整えた歯並びの維持につながります。
【矯正の無料相談を受け付けています】
東岡崎ジョイ歯科では、矯正の無料相談を受け付けています。
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